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PaperPoolで2019年2月に開催された同氏の個展「街と体温 – 香港」に合わせて制作・販売されたzine。
小池氏は私の昔からの写真つながりの友人で、個展も見に行った。彼の作品は昔からフィルムだ。
記録としてデジタルも撮るが、私の記憶の限りでは展示作品は全てフィルムで撮られた写真だ。しかも、プリントはほぼ手焼きである。
「街と体温 – 香港」の個展も然りだ。

ーライカM4-Pに白黒フィルムを詰め、香港の街と空気を5年に渡り撮影して製作した作品です。写真は全て手焼きです。
ValoyIIという引き伸ばし機を使い、暗室で一枚一枚プリントしています。ー(小池氏の日記より)

それが一冊の本となったzineなのだが、印刷はおそらくオフセット、手焼きではない(販売分なので当たり前か)。
にもかかわらず、小池氏の丁寧な手焼きの墨色が美しく表現されている。
現代に撮影されているのに、遠い昔に掘り起こされた写真のような、眺めていると心の内側がざわつくような、そんな気持ちになった一冊。

余談だが、馬喰町のRoonee 247 fine artsで、2020年9月1日(火)より小池氏の個展「 Домой – シベリア鉄道 -」が開催される。ぜひ見に行かれるべし。

小池貴之写真展「 Домой – シベリア鉄道 –
会期:2020.09.01(TUE)- 2020.09.06(SUN)
12:00 – 19:00 (最終日 16:00 まで)


「街と体温 – 香港」ステートメントより

高層ビルが空を覆い、道には高級ブランド、ハイテク家電ショップが林立し、物や人が溢れる香港。
この街は都会嫌いの私を惹きつける。他の経済都市とは違い、街の体温が感じられるからだ。
ボロボロのビル、古い食堂、湿気、生臭さ、クラクションの音、人混みと大きな話し声さえも興味深い。
時代の波に翻弄されながらも独特の文化や価値観を守り続けてきたこの街、そして体温を表現したい。

A4変型 21×21cm 29ページ 1,200円