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午後4時。1日のはじまりと終わりのちょうど中間にある時間。
もうすぐ1日を終え、明日を思うこの時間を、写真でなぞるような作品。


2020年、これまで当たり前だった日常が「変わること」を求められた。
閉ざされた家の中、時間はゆっくりと流れた。
朝目覚めて、風通しを良くするために窓を開ける。
鏡の中の自分と丁寧に向き合い、大ぶりのピアスをする。
部屋の整理をすると、今の私よりもずっと若い頃の母の写真に出会う。私の知らない彼女の笑顔。
休校になった娘たちの笑い声。16歳のペディキュアは刺激的。
水槽の中でたゆたう金魚を眺めていると、この閉塞から自由になれる気がした。
夕暮れ時、雨上がりの光と風は心地よく、間もなく1日を終えられることに安堵する。
「閉」と「解放」が一体となった気怠く満ち足りた時間帯。
私たちは呼吸し続けている。
これは、小さな箱の中の物語をアンバー色のレンズで覗いた幻燈です。

*Being=あること、居ること、存在すること

16×21.2cm 39ページ 2,200円