積み重ねられたおびただしい数の自転車。
運転手のいない錆びたバス。
並ぶドラム缶。

菓子氏が写したのは廃棄物ではなく、流れた時間なのだと思った。


あの町に帰るたびに、
あの頃の景色は消え、
広がるのは廃棄物の山だった。

役目を終えたものたちが、
光を失い切れずに眠っていた。
過去と未来が折り重なるように。

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