It smelled of rain.
五感のうち、嗅覚は人間の記憶に最も結びついているというけれど、まさにそのことを思い出した。
雨の気配が近づくと、空気の中に独特の湿気のようなものが生まれる。それは晴れている時にはあまり感じない、その時だけの空気感だ。
辺りがみるみるうちに暗くなり、鈍色の雲から遠慮がちにぽつぽつと雨が下りてくる。
やがて雨は意思を持っているかのように強くなったり、弱くなったりする。
それは雨が息をしているかのようだ。
雨の匂いに名前がついているなんて初めて知った。
このzineを見て、ちょっと雨が待ち遠しくなった。雨の景色を撮りたくなる作品だ。
なんだか雨が降りそう…
その感覚ってどこから感じ取ってますか?
空の色 雲の動き 空気中の湿度の変化
肌に当たる風の感覚
それからそれから 雨の匂い
そんなことを覚えたのっていつの頃だったろう
子供のころ母が雨が降りそうだよと言ったとき
よくわからないまま全身で雨の気配を感じようとしていたのかな
そうしてだんだんと体が覚えていったのかな
雨の匂いに名前があるって知ってましたか?
A5版縦、28ページ 900円