小林氏が撮り続けているもの、それは「100年後に残したいこと、もの」
100年の時を超えて受け継がれている伝統、技術、日本人の精神。
東京駅という美しい美術建築を通じて、我々日本人の意識にそれらが語り掛けてくる。
小林氏から東京駅を建築した辰野金吾へ送る尊敬の念を込めた書簡とも言える写真集。
<拝啓 辰野金吾様 東京駅 さらなる100年へ プレスリリースより>
「東京駅の美」に宿る魂に触れる一冊
2021年5月19日に、小林真佐子写真集『拝啓 辰野金吾様 東京駅 さらなる100年へ』が発売になります。
写真家・小林真佐子が5年以上にわたって撮影を続けてきた「リビング・ヘリテージ(有効活用されている文化遺産)東京駅」。
日本の美術建築のパイオニア・辰野金吾が創建した理念を受け継ぎ、100年後の現代に至るまで、
数多の卓越した職人の技術と先進の免震構造で受け継がれた稀有な建築の美を、辰野金吾を敬愛する写真家の眼差しから再発見。
不易と流行を懐に収めつつ、誰も知らない日本文化の粋(エッセンス)・東京駅のポートレイトから、
日本人が大切にしてきた伝統の継承と進取の気概が伝わってくる一冊です。
アートディレクターは三村漢氏。表紙には額司游游雅・宮井譲氏の額を使用。
レンガの時計に包まれた東京駅を表現しています。
〈著者・小林真佐子より〉
日本の近代化を象徴する美術建築を造った辰野金吾さんはもちろんすばらしいです。
さらに辰野さんを尊敬して東京駅を保存・復原した人々の想い、伝承されていない職人技を
再現しようとした現代の職人たちの葛藤などを知るにつれ、復原された東京駅のこだわりの細部が
今までと違ったものとして目に映ってきました。
東京駅の継承は、単に建物の継承ではなく、それを造る優れた技術の継承、日本を豊かにしたいという
当時の人々の想いの継承だと思うようになりました。
いま、国際社会のなかで日本は元気がありません。明治・大正期ほどでないにしろ価値観の変換を迫られています。
こんなときだからこそ、近代国家を造ろうとした時代の熱い想いが詰まった東京駅を、一度ゆっくりと眺めてほしいと思います。
そして、先人たちの想いを継承していきたいと思います。
A4変形型 80ページ 3,000円