Pin-hole=針穴写真のこと。その針穴カメラで撮った写真を集めたzine。
針穴は文字通り、レンズの代わりに針の先ほどの穴を開け、そこを通った光で感光材料(フィルムや印画紙)に像を結ばせて写し取る。
(デジタルカメラの場合は、感光材料の部分に当たるのが映像素子と呼ばれる部分。いわゆる何万画素云々のところ)
通常レンズがついているカメラで撮る写真は、ピントが合っているのが前提で、写っている被写体がくっきりはっきりしているが、
ピンホールカメラで撮られた写真はそれが曖昧だ。いや、曖昧という言い方は適切でない。
針穴カメラで撮られた写真には、その針穴から光が流れ込んでいる時間すらも写しこまれている。
その少しの時間のゆらぎのようなものが、針穴写真独特のどこか懐かしい既視感を覚える写真につながるのかもしれない。
数百年も前に、今のカメラの原点として誕生した針穴カメラ。
現在の進化したカメラに比べると同じカメラと思えないほどのシンプルな作りだが、それでもカメラはカメラだ。
光がないと写真は撮れない。このzineを見ていると、そんなことを思い出す。
A5変型 14.8×14.8cm 24p 900円