「浮遊感」
まず思い浮かんだのはなぜかこの言葉だった。
フィルムカメラで丁寧に切り取られた1枚1枚の被写体は、
草木だったり水面だったり地面だったりと、決して特別なものではない。
けれども目にするとどこか心がざわつく。
草木が作り出す影、ふとした角度で見える光線、
そんなものたちに「PRESAGE(=予感)」を市ノ川氏が感じ取り、
それを作品として表現しているのだと思う。
被写体をそのまま切り取るのではなく、彼女の心のフィルターを通して
見えている浮遊世界を覗いているような1冊。
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何気ない日々のように見えて
空気の中に予感は充ち満ちている
そこにあるものが少しずつ少しずつ
形を変えて明日を作っていくように
PRESAGE
日々の欠片
この目に映るすべて
それは未来への兆し
A5版縦、48ページ
1500円